結論から言うと、公務員の副業は「完全解禁」されていません。
ニュースなどで「副業解禁」という言葉が使われることがありますが、残念ながら会社員のように自由に何でもできるようになるわけではありません。
国家公務員は国家公務員法、地方公務員は地方公務員法によって、副業が原則として制限されています。特に地方公務員については、第38条で営利企業への従事などが制限されていると明記されています。
最近は一部で「条件付きで認める」「地域貢献活動を後押しする」といった動きもありますが、それはあくまで例外的な運用です。
つまり現状は、「全面解禁」ではなく「許可制で一部可能」というのが正しい理解になります。
そのため、副業を考えるなら、自分の所属先のルールを確認することが何より大切です。
副業解禁と言われた背景
最近、ネットやニュースで「公務員の副業が解禁される」という話を耳にした人も多いはずです。これは、2025年の人事院の報告や政府の方針がきっかけになっています。
政府や内閣人事局は、働き方改革の一環として公務員の働き方も見直しの対象としています。その流れの中で、人事院は“自営兼業制度の見直し案”をまとめ、趣味や特技を生かした自営業・副業を2026年4月から認める方向性を示しました。
これは国家公務員の規制緩和策として発表されたもので、従来の限られた兼業範囲から対象を広げる動きにつながっています。
ただし注意したいのは、これらは法律で完全に解禁されたという意味ではなく、条件付きで柔軟性を持たせようという方針ということです。制度自体はまだ許可制のままであり、自治体や所属組織ごとの運用ルールが重要になります。
つまり、「副業解禁」と言われる背景には、政府による働き方改革の流れや公務員制度の見直し案があり、意識や運用の変化を促しているという事情があるのです。
これによって、公務員の副業についての議論が広がってきた、ということなのですね。
国家公務員と地方公務員の副業ルール
国家公務員の副業ルールの基本
国家公務員の副業については、現在の制度では「完全に自由にできる」という状態ではありません。現行ルールの根拠となるのは国家公務員法や、それに基づく人事院規則・国家公務員倫理法などの仕組みです。これらは、公務員が本来の職務をきちんと果たし、国民・住民からの信頼を損なわないようにすることを最優先にしています。
具体的には、副業(人事院では兼業と言われることもあります)を行いたい場合、上司や人事担当部署への申請・承認が必要であり、許可なく副業収入を得る行為は基本的に認められていません。また、許可にあたっては以下の点が重視されます。
- 副業が本業の職務に影響しないか
- 公務員としての公平性・中立性を損なわないか
- 国家公務員としての服務規律に反しないか
このため、たとえ記事執筆や講師活動など一見安全そうな副業であっても、きちんと申請して許可を得ることが必須なのが基本ルールです。
地方公務員の副業ルールの基本
地方公務員も同様に、副業については制限されていますが、
地方公務員の副業ルールの中心になるのは、地方公務員法第38条です。ここでは、職員が営利企業に従事したり、自ら事業を営んだりすることは、原則として制限されると明記されています。
つまり、会社を経営したり、企業でアルバイトをしたりする場合は、基本的に「任命権者の許可」が必要です。無断で行うことはできません。
こちらも重要なのは、
- 公務員の仕事に支障が出ないようにすること。
- 住民からの信頼を守ること、です。
もちろん、本業に影響が出たり、利害関係が生まれたりする副業は認められません。
一方で、はじめに書いたとおり、近年は国家公務員の副業制度について、国家公務員法の運用見直しや緩和の動きが進んでいます。
通常、公務員制度は国家公務員のルール変更が先行し、その後に地方公務員制度へ影響が及ぶことが多いです。
そのため、今後は地方公務員法第38条の運用や規定が見直される可能性もあります。
公務員ができる副業とは?
許可が出やすい副業のポイント
公務員の副業は「何でもダメ」ではありません。
実は、条件を満たせば許可が出やすいものもあります。ポイントは大きく3つです。
① 本業に支障が出ないこと
勤務時間外に行い、疲労や遅刻などにつながらないことが大前提です。
② 公平性・中立性を損なわないこと
住民や特定企業と利害関係が生まれる仕事はNGです。営利色が強すぎるものも慎重に見られます。
③ 公益性や専門性があること
講演、執筆、資格を活かした講師活動などは、比較的許可されやすい分野です。地域貢献活動やボランティア性の高いものも前向きに判断されることがあります。
つまり、許可されやすい副業は「単にお金を得る活動」ではなく、公務員としての信用や役割を損なわず、社会的価値のある活動がポイントです。
ブログ・アフィリエイトは可能?
「ブログやアフィリエイトなら大丈夫?」と考える方も多いと思います。
内容と運営方法次第で可能なケースはありますが、原則は許可制と考えるのが安全です。
公務員は、営利目的で継続的に収入を得る活動について、法律で制限を受けます。広告収入が発生するブログは「自ら事業を営む」と判断される可能性があるため、自治体や省庁によっては許可申請が必要です。
一方で、下記の条件を満たす場合、許可を得られる可能性もあります
・趣味の範囲で小規模に運営している
・本業と利害関係がないテーマ
・勤務時間外のみで実施
なお、2024年6月に出された人事院からの資料では、
基本的に、アフィリエイト収入を得ることだけをもって兼業には該当しません。しかしながら、営利目的や投稿の継続性・反復性の有無、規模(主には収入額)等承認又は許可が必要な兼業に該当する可能性があります。
…と示されています。
研究員ももち
ちなみに、このブログはまだ収益化の段階に入っていないため、現時点で許可申請はしていません。ブログなどのストック型の副業は、収益化するまでに挫折することが多いため、タイミングが難しいですね。
筆者の中では、同業者のための情報発信と位置付けているため、執筆活動に近いイメージで活動をしております。
講師・執筆・不動産はどう扱われる?
副業の中でも、「講師」「執筆」「不動産」は扱いが少しずつ違うので、ポイントを押さえておきましょう。
①講師やセミナー登壇
内容が本業に支障を与えず、特定の企業との利害関係がなければ、許可を得て行われるケースがあります。特に単発の講演や、地域貢献につながる内容は前向きに判断されやすいです。ただし、継続的に高額報酬を得る場合は慎重な審査になります。
②執筆活動
書籍や記事の原稿料を受け取る行為は、営利活動にあたる可能性があります。
ただし、内容に公益性があり、本業に影響がなく、事前に申請していれば認められるケースもあります。「現役公務員」として執筆されている方もいますね。
③不動産
自宅以外の物件を複数所有し、家賃収入を継続的に得る場合は「事業」と見なされる可能性があります。一方で、小規模であれば申請不要で、副業扱いにならない場合もあります。
共通して言えるのは、「金額の大きさ」「継続性」「事業性」が判断のカギになること。迷ったら必ず事前相談が安全です。家族を守るための副業が、キャリアを傷つけることのないよう慎重に進めましょう。
副業は今すぐ始めるべきなのか?
焦って始める前に考えること
「副業を始めないと将来が不安だ…」
そう思う気持ちは、とても自然です。特に家族がいると、なおさらですよね。
でも、焦って始めることには大きなリスクがあります。
①ルール違反になる可能性
公務員は法律や職場の規定に縛られています。十分に確認せずに収益活動を始めてしまうと、後から問題になることがあります。
②本業への悪影響
睡眠時間を削ったり、常に副業のことを考えていたりすると、集中力が落ちます。本業をおろそかにすることは、長期的には大きな損失になります。
③家族との時間が減ること
お金を増やすために始めたはずなのに、家族との時間が減ってしまっては本末転倒です。
副業は「勢い」よりも「設計」が大事です。
これを整理してから動けば、リスクは大きく減らせます。
不安でも急がない。
それが、公務員としても、家族を持つ一人の大人としても、いちばん賢い選択です。
まずは何から始めるべきか?
副業を考えたほうがいいのは分かっている。でも、何から始めればいいのか分からない。
そんな方は、次の3つから始めてください。
①今の家計を知る
毎月いくら入ってきて、いくら出ているのか。ざっくりでいいので紙に書き出してみてください。実は、副業をしなくても整えられる部分が見つかることもあります。
②「なぜ副業をしたいのか」をはっきりさせる
・子どもの教育費が不安
・住宅ローンが心配
・老後が気になる
目的を明確にすることでモチベーションが上がります。
また、いくら稼げばいいのか、どんな副業がいいのか、という検討材料にもなります。
③職場のルール確認
副業を始める前に、就業規則や兼業の取り扱いを必ずチェックしましょう。ここを飛ばすと、後から大きな問題になります。
副業のスタートは、作業ではなく“準備”です。
家計を知る → 目的を決める → ルールを確認する。
この順番を守れば、遠回りに見えて、実はいちばん安全で確実なスタートになります。
家族との時間を守る副業戦略
副業を考えるとき、忘れてはいけないのは「家族との時間」です。
お金を増やすことが目的なのに、そのせいで家庭がぎくしゃくしてしまっては本末転倒ですよね。
大事なポイントは3つ。
①時間の上限を決めること
たとえば「平日は朝だけ」「土日はやらない」など、自分でルールを決めます。ダラダラ続けない仕組みが、家族時間を守るコツです。
②家族にきちんと話すこと
何のためにやるのか、どれくらいの時間を使うのかを共有しておくと、応援してもらいやすくなります。こっそり始めるのはおすすめしません。
③ストック型の副業を選ぶこと
これは個人差があるところですが、時間を切り売りする働き方よりも、少しずつ積み上がっていく仕組みのほうが、長時間労働になりにくいです。
副業は家族を守る「手段」であって、「目的」ではありません。
お金と同じくらい大切なのは、いまこの瞬間の時間。そこを守れる設計こそが、長く続く副業戦略です。
まとめ|公務員の副業は「条件付きで可能」!
副業は申請が必要。事前の設計が大切。
まとめに、今回のポイントをシンプルに整理します。
・副業は完全解禁されたわけではない。
・国家公務員は、2026年4月から趣味や特技を生かした自営業・副業が認められる。(申請が必要)
公務員は原則として副業が自由ではありません。法律や職場のルールがある以上、自己判断で始めないことが最重要です。
副業に挑戦するために以下の3点に注意しましょう。
・本業と信頼を守ることが最優先。
・焦らないこと。
・家族との時間を守る設計をすること。
将来の不安を減らす第一歩をはじめよう!
将来が不安になるのは、「よく分からないから」です。
ぼんやりした不安は、頭の中でどんどん大きくなります。
だから最初の一歩は、不安を数字にすることです。
次にやることは、小さな改善をひとつだけ始めること。
行動がゼロから1になると、不安は一気に小さくなるものです。
このブログでは、悩める公務員のみなさんと共に、より豊かな将来に向かって進んでいきたいと思っています。
ぜひ、他の記事も参考にしていってください!
それでは、また次回!